2013年10月02日

オトナはさみしいvol.1「サーカスの息子」by ジョン・アーヴィング

いやーーーーー、ええもん読んだ。
最近、さみしさがしみじみと心地よい本を2冊読みました。こちらは最近読んだ方の1冊。

インド(というか主にボンベイ)が舞台の、カナダに移民した裕福なインド人が主人公の物語です。
「シャンタラム」もボンベイが舞台の小説でしたが、こちらはまた味わいがまったく違う。
ジョン・アーヴィングってそんなに何冊も読んでないのですが、全体にこの人の小説はすーっと涼しいような寂しさが全体に漂ってる気がします。

インド人の両親からボンベイで生まれ、ボンベイで育ったけれど大学はオーストリアに留学し(アーヴィングはオーストリア好きだよね)、カナダに移住してときどきボンベイに帰ってくる。
父親が設立した「不具の子どものための病院」の院長としてボンベイで診療はするし、地元ではいちおう名士ということになっている。

自分はインド人でもなくカナダ人にもなりきれてない、オーストリア人と結婚したけどもちろんオーストリア人でもない。
どこにいても、「自分はよそもの」と思う感じ。
私は移民じゃなくて生粋の日本人ですが、この「自分はよそもの」感には深く共感してした。
たぶん、誰もが自分の中に「よそもの」感を多かれ少なかれ持っていて、それを虫眼鏡で拡大して見せてくれたような感じです。

途中からミステリ仕立てになって、もちろん解決もする。
でも、私がミステリと違ってよいなー!と思ったのは、解決したあとの登場人物のそれぞれの葛藤やその後の生活、気持ちの変化がとっても丁寧に書かれているところです。
ミステリって、おもしろいんだけど、読み終わった後に放り出されたような気分になりませんか?
謎が解決したらおしまい、その後のことは知らんよ的な。
その後にも登場人物の人生は続いていくのに、そこんとこがちょろっと書かれておしまい。あとは解決の瞬間でパシッと終わっちゃうとか。
おそらく、登場人物に感情移入しすぎなんでしょうな。
そのあたりのもよもよがきちんと整理されて、収まるべきところに収まって、ようやく終わります。

主人公の昔のことも、これでもかというくらい詳細に書かれていて、めっちゃ読み応えがあります。
全部読むのに、一日2時間弱(通勤のときしか真面目に読まないのである。。。)でまる2週間以上かかりましたが、超おすすめ!
岸本佐知子さんの訳文もすばらしいです。
途中、あまりにも微に入り細に入りなのが「キー!」となりそうになることもありますが、そこをじっくり楽しめる本。

秋の夜長のお供に。






って、2009年なのにもう絶版になってるの!!信じられん。。。
「文庫」を選ぶと和書が出てきます。
Kindle版は洋書だけか。。。

ところで、シャンタラムも超絶おもしろいです。
以前紹介したけどまた紹介しちゃお。
以前の紹介記事はこちら。

アナタが絶対に行けないインド、「シャンタラム」上・中・下








posted by オグ at 08:17| 東京 ☁| Comment(0) | 読んだがや | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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