ピーターは、ライザと結婚してThe Allen Brothersのデュオを解消し、ソロでシンガーソングライターとして活動を始めます。 実はわたしがあんまり好きじゃないAOR系っていうんですが、なんかそういうムーディなポップスというか、そういうのです。 でもさあ、ピーターの生涯を知って、ひとつひとつの歌詞の意味を知ると、また違って見えてくるのです。
実はこの曲のピーターの書いた部分はコーラスの“When you get caught between the moon and New York City ”だけなのであるが(それだけでオスカー受賞なんて…という声が聞こえてきそうだが…)、この1行がいかに大切でまた歌のキーとなる部分であるかは、この曲の日本語タイトルにもあらわれていると思うし、この1行がどれほどピーターの人生に大きな意味を持ったかは“月とニューヨーク・シティの間に”はさまれて踊るピーターが描かれているこのオリジナル・キャスト・アルバムのジャケットのイラストでも明らかであろう。
この曲は、ピーターのおじいさんから3代にわたる「Woolnough家のものがたり」です。 Woolnoughはピーターの本名っつーか元の苗字。 ピーター、Allen Brothersを結成したあとで苗字を変えちゃうんですね。 そのことも歌詞に出てきます。 ライザ・ミネリと結婚したことも(Changed his last name and he married a girl with an interesting face)。
もいっちょ私が泣ける曲はコレ。 うおー。最初のMCのコメントからもう涙がにじみます。
姿勢がビシっとよくて、カメラ目線でピアノを弾く姿がんもうピーターだわ(泣き笑い)
◆ピーターとミュージカル コン太さんのサイトにもあるけど、「PETER ALLEN “僕の歌が僕の伝記さ”」と自分で言っていたというのは本当になんというかもう。。。 生前、ピーターは自分が主演で約500万ドルをかけて「レッグス・ダイアモンド」というミュージカル作るんですが、さんざんの酷評をうけて大失敗し、早々にクローズしてしまいます。 ところが、死後10年以上経ってから、オーストラリアで、ピーターの曲だけを使ってピーターの人生をミュージカルにした「The Boy From OZ」が作られて大ヒット!
(OZはもちろん、Australia=Ausie=OZと、Judy GarlandのOzをかけてます) それをうけて、2004年にブロードウェイにご存知ヒュー・ジャックマンで殴りこみ(誤)をかけ、ヒュー・ジャックマンは見事その年の「Best Performance by a Leading Actor in a Musical(ミュージカル部門の最優秀主演男優賞)」をとります。
この年はDreamgirlsが大ヒットしたので、曲はOne Night Onlyです。 が、なんつっても、ここがRadio City Music Hallで、そしてヒューがRockettsとラインダンスを踊るということが超重要なのであるぞーーーーー!ということが!初めて!わかりました!!この映像↓を観て!
そう、81年にピーターはここRadio City Music Hallで、ソロライブをやるのです。 ラクダに乗って登場するのは51:20あたりから。 ここが彼の人生のピークだったような感じがします。ドラマを見るとね。
ラクダに乗って登場するのもね! っていうか、このヒューのパフォーマンスはサイコーです。何回観てもおもろい。アホです。 もーね、いちいちヒューのセリフがおもしろいですよ。 Sex and the cityのサラ・ジェシカ・パーカーをいじるところも超おもしろい。Bi-coastalとかね!もー、ヒューったら! しかし、私はですね、こっちのほうを先に見ていたのですよ。何度も何度も。
そしてそして、83年の「Not the Boy Next Door」という歌は、Judy Garlandの「Boy Next Door」という曲に対するオマージュというかなんというか。 もう彼女が死んじゃってだいぶ経つのに、やはりJudyの陰というのはずーっとピーターの中にあったのかなあ。 今回のオーストラリアのドラマの作りがそう思わせるのかもしれませんが。 ずーっとJudyの面影が語りかけるのですよ、Peterに。
そしてそして、なんかもう話があっちゃこっちゃ行っちゃって本当に申し訳ないんですが、これがまたびっくりしたのがですね。 大好きで大好きで、珍しくDVDを所有しているくらい好きな映画がありまして、「All That Jazz」というんですが、その中で大好きなシーンが実はピーターの曲だったという!!!
これです。
ジョー・ギデオンの自宅で、恋人のケイトと娘のミシェルがダンスを見せるシーンで使われているのが、ライブ録音のピーターの「Everything Old is New Again」! この曲の軽快なピアノもピーター節ですごくステキなんだけども、この映像でなんつっても観ものなのは、ボブ・フォッシーの恋人アン・ラインキングの全盛期の超すんばらしく美しいダンスと身体。 この世のものとは思えません。 間違いなく、アン・ラインキングのもっとも美しい映像だとおもふ。 これも、何度も何度も見ていたのに、ピーターの曲だなんて、ピーターが唄ってるなんて、ぜんぜん知りませんでした。